偽書「東日流外三郡誌」事件

青森県津軽地方の農家の天井裏から“発見”された、膨大な数の古文書。正史に記されない驚愕の「失われた古代・中世史」の出現に、人々は熱狂した。

しかし、一件の民事訴訟をきっかけに、文書の真贋をめぐって歴史・考古学界、メディアを巻き込んだ一大論争がはじまる――。


偽書追及の最先鋒として、文書群の「トンデモ」ぶりを検証、偽書事件の構造を徹底した取材で明らかにし、論争に終止符を打ったひとりの地元新聞記者の奮闘記にです。

「東日流外三郡誌」の内容は、物語としては非常に面白く、はるか昔の縄文時代の津軽地方には、大陸をルーツとする阿蘇辺(あそべ)族が住んでいた。そこに、津保化(つぼけ)族と呼ばれる人々が渡来してきて、土器や竪穴式住居など、縄文人独特の生活スタイルを築きあげた。しかし、阿蘇辺盛(あそべのもり)と呼ばれた火山(現:岩木山)の噴火によって、、阿蘇辺の国が滅亡し、生き残りは津保化の国に統合された。
紀元前7世紀ごろには、九州日向の高砂国が邪馬台国に攻め入り、14年にわたる戦争の結果、邪馬台国の王の安日彦ら生き残りが、津軽まで流れてきて、津保化の国の一族と合流して、荒覇吐(あらばき)国を興した。

荒覇吐(あらばき)国は、大和朝廷下で津軽の豪族安部氏となり、安部氏は前九年の役で源氏に敗れ滅びたものの、再興し、安東氏となる、しかし、14世紀に大津波が津軽地方を襲い、縄文時代から荒覇吐(あらばき)国までの遺跡や書物などの記録も全て津波に流されてしまった。

という、壮大なスケールの物語です。

「東日流外三郡誌」は、発見者の和田氏の偽書とされていますが、「東日流外三郡誌」の成立の経緯や、和田氏の家にうかつがれてきた経緯などが、以下のように巧みに真贋を判断できにくいようになっています。

・「東日流外三郡誌」は、江戸時代に、安東氏の末裔が、先祖のルーツを探るために、江戸時代に家臣に命じて作らせたものである。⇒数千年前の物語をおさめているが江戸時代の成立

・家臣は江戸時代に津軽だけでなく、全国を巡って、安部氏や、荒覇吐(あらばき)国、邪馬台国、阿蘇辺や、津保化の国の情報をまとめて、真贋の判断をせずに記載したものである。⇒真贋の判断はされていない情報である。

・元本は行方不明であり、写本「東日流外三郡誌」編集に関係した和田家に伝えられており、出てきた本も、和田氏の祖先が明治時代に書き写したものである。

・「東日流外三郡誌」は、和田家では門外不出のものとされており、一般公開はできない。

以上のような状況下で、町興しに熱心な青森の地方自治体は、和田氏の持つ「東日流外三郡誌」の壮大なスケールの物語を利用しようと考えます。怪しげに思いながらも、そのような指摘をすると和田氏から、「東日流外三郡誌」の情報を得ることができなくなるので、薄々気づきながらも、偽書事件に巻き込まれていきます。

なまじの推理小説よりはるかに面白い、傑作ルポルタージュです。


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1960年代生まれメタボ系です。ダイエットや精神健康のために腰振り体操、整体体操、気功をやってます。ブログでは、興味のある漫画や本をとりあげています。最近は環境問題に関しても書いています。図表の採用で問題がありましたらコメントください。削除いたします。

写真は20年以上前にボーイスカウトのリーダをやっていたときのものです。今より20kg以上痩せてました。

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